「心の中に持っておくには重すぎるでしょ」「話してみて」と友人から急に言われた
その言葉にとても驚いたのは
私が何かに苦しんでいるということを
友人には伝えていなかったから
そもそも
その過去は
もう自分の中でも
忘れ去ったと思っていたし

そしてその時同時に
もう一つの言葉をふと思い出した
「心の奥に何か辛いことを隠しているのかもしれません」
グラフィックカウンセリング
指定された図形を使って描いた絵をもとに
性格や能力を診断してもらう
診断書には
私の強みや不得意なことが
ツラツラと書かれていて
最後に上記の1文が書かれていた
その時は何のことだかピンとこなかった
そして今回
カウンセリングに書かれたことと
友人からの言葉と
その2つが重なって
私の口から絞り出てきたのは
「性的な欲望の為に使われた」
という言葉だった
今の今まで
自分でも蓋をしていたから
誰にも話したことがなかった
感じたことを
感じていないことにして
考えることを避けていたから
言語化もしたことがなかった
今回友人のおかげで
やっと
その時の事について
考えて
時間がかかったけれど
言葉にすることが出来た

経験のなかった私は
そういうものだと
受け取っていて
その行為自体は
あまり好きにはなれなかったけれど
仕方なくこなしていた
相手が数年の間
不倫をしていたことを
知ったあとも
相手を拒絶することが出来ず
触られることに
おぞましい嫌悪感を感じながらも
感情を押し殺して
その時間を耐えていた
時折
使うつもりなどないけれど
刃物を持って眠りについた
夜が嫌いだった
その時間が来るのを
怯えながら過ごし
穏やかな気持ちで眠れる日は
なかった
家を出て
毎日怯えることなく
穏やかな眠りにつく日々を
手に入れた
朝目が覚めて
柔らかな空の色に
幸せを感じる

こんな話を
誰にも出来るはずがない
誰も聞きたくないはず
と思っていた
過去を話すことで
気を遣われたり
距離を置かれたりするかもしれない
という不安もあった
それでも
「話してみて」と言われて
少しだけ言葉にした時
今がその時なんだ
と思った
すべてを話した後
身体の芯が
柔らかくなったのを感じた
忘れ去ったと
思い込んでいた事は
私自身が気がつかないほど重く
身体の奥に
住み着いていた
話終えたあと
大きく息を吸い込んで
空気がからだ全体に回るのを
感じた
話すことは
手放すこと
もちろん
簡単に話せるわけではない
という時もあるけれど

その時が来たら
委ねて
話してみると
いいかもしれないね