彼の、できない病 と 私の、やらせたい病
ずっと臆病だった長男が、やっと、自分の力を出せるようになりました。
何をするにも、「できない」と言って、なかなか取り組むことができなかった長男。
本当はやりたいのに、本当はできるのに。
私はいつも、長男を見て、じれったく、情けなく思って、イライラして。
本人が取り組み始めるまで待ちきれず、「絶対できる」と励ましたり、「やらないなら置いていく」と突き放したり。
取り組んでみたら、いつも長男はすぐに自分のものにすることができる。そして、今までとは違った顔つきで、得意気に、嬉しそうに、それを繰り返す。
その度に、「やれば出来るよ」と声をかけてきた。ひとつひとつの経験が、確実に自信をつけていると思った。
でも、4年生から入ったスポ小で、できない病はやっぱり続いて、どんどん強くなる周りの子に引け目を感じ、ますます自信をなくした。
そんな長男は6年生になり、今年はじめて、松山市の陸上の大会に自ら立候補した。幅跳びの選手として選ばれ、大会に出場した。
結果は、自分の力を出せずに意気消沈しての帰宅だった。
でも、次の日彼は、「中学校で陸上がしたい」と言った。
私はとても、嬉しかった。
先日行われたスポ小の大会では、コートの中で、声を張り上げ、仲間とともに、優勝をつかんだ。
後日見た写真には、今までとは違う、彼の 力強い顔が写っていた。
ずっと、「そのままでいいよ」と言ってあげられない自分に悩み、不安な日々だった。
でも、彼のいきいきとした姿を見て、やっと、ほっとした。
これからもまた、やりたいけれどやらない臆病な長男が出てくるかもしれない。けれど、それでも、きっと「大丈夫」。