HIROMI そらをとぶ 

保育士 英語リトミック講師

空を飛んでいる

子どもの頃
空を見ては
なぜか漠然と
「雲の上に住んでいた」と
懐かしんでいた

大人になって
忙しくなり
早くに結婚したのもあり
空を見上げることが
なくなっていた

子どもの頃の通知表に
《我慢強い》と
書かれている

結婚生活の中で
周りにびっくりされるような
数々の問題に直面してきたが
いつも冷静に過ごしてきた

その時の環境の中で
最善を尽くすことだけを考え
幸せになる努力を続けた

幸せに向かっていっている
はずだった

けれど
「世間を知らないから俺を理解できない」
夫の言葉は私をじわじわと洗脳し
思考を麻痺させ

そしていつか心は「無」になり
変わりに「幸せな自分」を
造り上げていた

ある時
ある人に
「ほんとうに幸せ?」と
聞かれた
シンプルにそして真剣に

私の全てが硬直し
その言葉が脳を巡り
心の奥の奥の奥へと
入り込んできた

そして涙が出た

幸せなふりをしていただけで
ほんとうは
違うんだと
気が付いてしまった

それから
少しずつ
少しずつ
自分の心の声を
取り戻していき

息をし
物事を見
感じ
空を見て
外へ羽ばたく希望を
思い出し
力を蓄え始めた


空を自由に
飛んでいる

かごから出て
穏やかに
緩やかに
軽やかに
空の広さを
味わっている

この先は
無限大
どこまで
飛んでいこうか

遠くにいる
あの人達に
会いに行こうかな

幸せ?
うん