HIROMI そらをとぶ 

保育士 英語リトミック講師

不倫相手と間違えて妻に電話をかけた

26で結婚した

ずっと遊んでばかりいて
何人もの女と同時にも付き合った

今までとは違ったタイプの女
なにかあたたかい感じがした

他の女からの電話を取るのをやめた

4才年下で
同じ趣味のグループで知り合い
付き合い始めた

2年が経った
友人の結婚式で感動し
結婚もいいものだなと思い
その晩酔ったまま
電話でプロポーズした

自分の親は
自分が小さいころから
上手く行ってなかった
兄弟バラバラに親戚に預けられていた

父親はギャンブルをし
俺の名義でも借金をした
結婚資金がなかった

それでも嫌な顔をせず
親のことも受け入れてくれた

子どももできて
幸せだった

親父みたいになりたくなかった
自分で事業をはじめ
借金を返しながら
仕事に明け暮れた

業界が不況に陥り
同業者がいくつか倒産し
被害を被った

妻の残していた貯金を崩したり
金融会社から工面し
なんとか持ちこたえた

妻は何も言わずお金を出したが
貯金を使いきると
仕事を変えてくれと言ってきた

今まで積み上げてきた技術や人脈もある
他にやれることもない
ショックだった

そんな時に
好きになってくれた子がいた
尊敬してくれ励ましてくれた

暗い顔をしている妻や
仕事のプレッシャーから
救ってくれた
それからたまに
一緒に過ごすようになった

妻や子どもには
申し訳ない気持ちでいっぱいだったが
関係を持っていた

何度か疑われたが
ごまかしていた

ある日寝る前に
彼女に電話した
眠そうな声だった
「ゆみ、もう寝るの?」
と聞いたら
「うん」と言った

そこで気がついた
彼女ではなく
間違えて
妻に電話をかけた

慌てて切った

慌てて部屋から出たが
違う部屋で子どもと寝ている妻は
部屋から出てこなかった

水を一杯
ごくごくと飲み干して
自分の部屋に戻った

次の日も
何事もないかのように
お互い過ごした

しばらくして妻が
自分の親を呼んで話がしたいと言ってきた
これ以上は隠せないと思い
妻と話した

彼女とはもう会わないと決めた
俺が選んでやったのに
妻は離婚したいと言った

誰が養ってやってるのか
僅かしか稼いでいないパートで
どうやって生活するのかと聞いたら
俺から養育費をもらうと言った

人のカネを当てにするなんて
浅ましい

離婚するなら
二度と子どもにも妻にも会わない
一銭も払わないと言った
なるべく早く
新しい父親を探すために
自分は一生姿を見せずにいると
言うと

妻は
別れても父親はあなたで
好きなときに好きなだけ会ってほしい
夫婦でなくなっても
父親としての責任は終わらないと言った

結局妻は離婚をやめた

妻をなるべく毎日
抱き締めるようにしたが
いつもそっけなかった

夜に誘っても一向に
気が向かない様子だったが
受け入れてくれることもあった

あれから10年が経った
最初こそ荒れていた妻だったが
少しずつ落ち着いた

仕事がますます増え
趣味の活動も忙しく
ほとんど生活リズムが違い
それぞれで過ごし
一緒に過ごすことはなくなった

十分に稼いでいたが
頼んでもいないのに
妻はパートを増やしていき
家事をおろそかにするようになった

夜遅く戻ることもあり
子どもがお腹をすかしていることもあった

思春期の子どもに
過剰に反応し
忙しくて家庭にいられない俺を
責めてくることもあった

ある日
子どもがトラブルに合っている時に
子どもに対して
言うべきではない言葉をかけていた

妻を叱った
仕事の仕方や
金銭の使い方
家事のことを問い詰めると
反論してきた

我慢の限界がきて
「出ていってくれ」と言うと
息子のことはどうするのかと
聞いてきた
そんなのはどうもでもなる

妻はわかったと応じ
2ヶ月後出ていった

妻は出ていく前に
普段自分がしていることのリストを作って
渡してきた

俺の仕事が忙しいのを知っていながら
子どもの病院のことや学校のこと
食事のことをしろと言ってきた

子どもの身の回りのことは
子ども自身ができる
お金さえ渡しておけば
食事も済む
母に頼んでおけば
たいていのことは大丈夫だ

病気?病院?
大事な仕事に穴を空けるわけにいかない
急な予定変更に対応できるわけがない
俺の仕事を軽く見ている

妻は仕事の融通がきく
子どもが自立してから
好きな仕事をするべきだ

半年後
子どもが家を出て
働き始めた
籍も抜いた

23年間の結婚生活が終わった

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ほぼほぼ
元夫の言葉と態度で
ほんのちょっとの想像も加えて
書いてみました


私側からすると
仕事のことも
家事のことも
子どものことも
この通りではないけれどね

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不倫相手と間違えて妻に電話をかけた


電話
衝撃的でした

子どもを寝かしつけて
自分もうとうとしている時に
別の部屋にいる夫からの電話
出てみると
私ではない女性の名前を呼び
聞いたこともない優しい声で話す

衝撃の後に
私の頭に浮かんだのは
「あぁ。。。」という
ただの安堵でした

不倫の証拠も集められず
ごまかして認めない元夫に
苦しんでいた毎日だったので
事実がはっきりして
すごくほっとした瞬間でもあったのです

もう10年以上前のことで
傷ついたり苦しんだりする気持ちは
なくなったけれど

なんとなく
空しさが少ーしだけ
残っていたので
書いてみました

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